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楽器・音楽理論 / 更新 2026-10-25

楽器・音楽理論は、歌の次に空いている音楽ジャンル

楽器を演奏する人は10歳以上の約1割。VTuberの音楽配信は歌が中心で、楽器と理論の枠はまだ空いています。手元を見せる撮り方、企画の切り口10個、音源の権利で気をつけることまで。

なぜ空いているか

音楽は見る人も演奏する人も多いジャンルです。総務省の調査では、1年間に楽器を演奏した人は10歳以上の10.2%、スマートフォンなどで音楽を聴いた人は53.5%でした(2021年)。

VTuberの音楽配信は、歌が中心です。歌枠や「歌ってみた」はたくさんありますが、ギターやピアノを弾く配信、コード進行や作曲の考え方を話す配信はまだ少ないのが今の状態です。理由はだいたい次の3つです。

  • 手元を見せる必要があると思われている。アバターでは指の動きが伝わらない、という心配です。
  • うまくないと見せられないと思われている。楽器は上手な人の動画が目立ちます。
  • 権利が分かりにくい。曲の権利と音源の権利の違いで迷う人が多いです(最後の章で整理します)。

楽器の配信は、手元カメラ1台と権利のルールを押さえれば始められます。歌の配信より競う相手が少ない分、目立ちやすいジャンルです。

どんな人が見ているか

  • 自分も弾いている人。同じ曲を練習している人は、指の使い方や練習の仕方を知りたがっています。
  • 昔弾いていた人。もう一度始めるきっかけを探しています。
  • 作業用に流したい人。楽器の音は歌よりも作業の邪魔になりにくいです。
  • 音楽の仕組みを知りたい人。好きな曲がなぜ気持ちいいのかを、理論の言葉で聞きたい人です。

VTuberがやる強みは、練習の過程をキャラクターと一緒に見せられることです。上手な演奏の動画は多いですが、少しずつ弾けるようになる様子は、見る人が自分の練習と重ねて応援しやすい形です。

見られやすい時間

夜の作業の時間帯が合います。静かな曲を弾く枠は寝る前に流されることもあります。

VTuberがやるときの企画の切り口

  1. 練習を最初から見せる。弾けない曲が弾けるようになるまでを連続で配信します。
  2. ゲームやアニメの曲を弾く。好きな作品の曲は検索からも見つけてもらえます。
  3. コメントのリクエストで弾く。その場で耳で探りながら弾くのも見どころです。
  4. コード進行の解説。有名な曲の進行を例に、なぜその響きになるかを話します。
  5. 30分で1曲作る。メロディとコードを決めるまでを見せます。
  6. 初心者向けの練習法。指の体操や、毎日5分の練習の仕方を紹介します。
  7. 楽器の比較や紹介。安い楽器と高い楽器の音の違いなど、実物で聞かせます。
  8. 作業用の演奏枠。話さずに1時間弾き続けます。
  9. 視聴者と合奏する。同じ曲を同じ時間に練習する「一緒に練習」の枠です。
  10. 英語で日本の曲を解説する。海外のアニメやゲームのファンに向けた枠です。

始め方と機材

  • 手元を映すカメラを1台足す。鍵盤やギターのネックが映る角度に固定し、顔や部屋が写らないようにします。
  • アバターは画面の隅に置く。手元の映像を大きく、アバターは演奏に合わせて表情を変えるくらいで十分です。
  • 楽器の音は線でつなぐ。電子楽器やエレキギターは、オーディオインターフェースで配信ソフトに直接つなぐと、音がはっきりします。アコースティックの楽器はマイクを近くに置きます。
  • 声と楽器の音量の差を確かめる。弾きながら話すと声が埋もれやすいので、配信前に録音して聞き比べます。

最初の4週間の進め方

  • 1週目:今弾ける曲を1曲弾き、楽器と自分の紹介をします。
  • 2週目:まだ弾けない曲を1曲選び、練習を始める枠を作ります。
  • 3週目:コード進行の話を1回入れます。
  • 4週目:2週目の曲を通して弾く枠を作ります。上達が見えると、次の曲も見に来てもらえます。

伸びてきたら

曲名をタイトルに入れた短い演奏動画を作ると、同じ曲を探している人に見つけてもらえます。楽譜を自分で作って配るなら、曲の権利の扱いを先に確かめます。

気をつけること

  • 曲の権利と音源の権利を分けて考える。自分で演奏する場合、曲そのものの権利は、配信サービスが管理団体と結んだ契約で扱われることが多いです。一方で、CDや配信の音源をそのまま流すには、レコード会社などの許諾が別に要ります。伴奏に市販のカラオケ音源を使う場合も、同じように許諾が要るか確かめます。
  • 楽譜をそのまま映さない。市販の楽譜を画面に長く映すのは、著作権の問題になります。
  • 配信サービスごとのルールを確かめる。同じ曲でも、使えるサービスと使えないサービスがあります。
  • 耳を守る。ヘッドホンの音量を上げすぎない、長時間の練習では休憩を入れる、を決めておきます。
  • 案件は「PR」と分かるように。楽器や機材の提供を受けたら、最初に「PR」「提供」と伝えます。2023年10月から、広告であることを隠した宣伝は景品表示法の規制対象です。

楽器と理論は、うまくなる途中がそのまま配信になるジャンルです。弾ける曲が1曲あれば、今日から始められます。

出典

  1. 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活行動に関する結果 結果の概要」(表4-3)
  2. BUSINESS LAWYERS「市販の音楽CDを配信する場合の注意点」(唐津真美弁護士、2017年)
  3. 消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」

※この記事には、YouTubeから集めた視聴数やVTuber数は載せていません。数字は上の公的な統計・調査によるものです。