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筋トレ・健康 / 更新 2026-10-24

筋トレ・健康は、見る人が多いのにVTuberが少ない

運動する大人は2人に1人。なのに「一緒に体を動かすVTuber」はまだ少ない。顔を出さずに済むVTuberこそ向いている理由と、企画の切り口10個、始め方、言ってはいけない言葉まで。

なぜ空いているか

運動している大人は思っているよりずっと多いです。スポーツ庁の調査では、20歳以上で週に1日以上運動やスポーツをする人は52.5%(令和6年度)で、2人に1人です。総務省の社会生活基本調査でも、1年間に「ウォーキング・軽い体操」をした人は10歳以上の44.3%、「器具を使ったトレーニング」をした人は12.9%いました(2021年)。

見る側の需要もはっきりあります。家でできる筋トレ、ストレッチ、姿勢の直し方は、動画サイトの定番の検索ワードです。ところが、その多くは顔と体を出したトレーナーや一般の人の動画です。

VTuberが少ない理由は、だいたい次の3つです。

  • 体を見せる前提だと思われている。フォームを見せられないなら教えられない、という思い込みがあります。
  • ゲームやトークと相性が悪いと思われている。実際は逆で、雑談しながら体を動かす配信は長く見てもらいやすい形です。
  • 医療・健康の言葉は怖い。何を言っていいか分からないので避ける人が多いです。これは最後の章で整理します。

つまり、需要はあるのに「VTuberがやる理由」がまだ言葉になっていないだけです。そこが空いています。

どんな人が見ているか

このジャンルの視聴者はゲーム実況の視聴者とかなり重なります。

  • 在宅で座りっぱなしの人。在宅勤務、学生、そしてゲーマー自身。肩こりと腰の重さに悩んでいます。
  • ジムに行くのは気が引ける人。人の目が気になる人ほど、顔の見えない相手と一緒に動く方が気楽です。
  • 続かなかった人。1人だと3日でやめてしまう。だから「毎日同じ時間に誰かがいる」ことに価値を感じます。

ここがVTuberの強みです。トレーナー系の動画は「お手本」ですが、VTuberの配信は「仲間」になれます。うまい必要はありません。一緒にやって、続けて、たまにサボる姿を見せられます。

見られやすい時間

朝の出勤・通学前と、夜の寝る前が狙い目です。朝は「一緒に起きて体を動かす」、夜は「1日座っていた体をほぐす」。同じストレッチでも、時間帯で呼びかけの言葉を変えるだけで、来る人が変わります。ゲーム配信の前に10分だけ体操の枠を置くのも、いつもの視聴者を新しい枠に連れてくる近道です。

VTuberがやるときの企画の切り口

  1. 朝のラジオ体操・ストレッチ配信。毎朝同じ時間に10〜15分。習慣になると、毎日来る人が一番の財産になります。
  2. 作業中の「1時間に1回立とう」配信。作業や勉強の配信に、50分ごとのストレッチを挟みます。
  3. スクワット耐久。目標回数を決め、コメントやスーパーチャットで回数が増える形。
  4. ゲームで負けたら腕立て。既存のゲーム配信に足すだけで始められます。
  5. フィットネスゲームの実況。体を動かすゲームはゲーム実況とこのジャンルの橋渡しになります。
  6. 30日チャレンジの記録。体重ではなく「できた回数」「続いた日数」を記録します。体の数字を出さなくて済みます。
  7. 初心者が本を1冊読んで試す。「プロではない人が学ぶ過程」を見せる企画は、詳しくない視聴者に響きます。
  8. ゲストに資格のある人を呼ぶ。トレーナーや理学療法士と話すと、内容の正しさを補えます。
  9. 姿勢チェック配信。ゲーミングチェアの座り方、モニターの高さなど、視聴者の環境に寄せた話題。
  10. 筋トレ雑談。「今日なに食べた」「なにをサボった」。真面目すぎない枠が長続きします。

始め方と機材

顔と体を出さなくても、次の3つのやり方で成り立ちます。

  • 体の動きをアバターに乗せる。Webカメラ1台の上半身トラッキングで、ストレッチや体操の動きは十分伝わります。腕立てやスクワットのように大きく動くと外れやすいので、最初は上半身の動きから始めます。
  • 回数と時間を画面に出す。動きが見えなくても、カウンターとタイマーがあれば「一緒にやっている」感覚は出せます。
  • 手元や足元だけを映す。映す範囲を決めて、部屋が写りこまない角度に固定します。

機材はいつもの配信環境に次を足すくらいで足ります。

  • 首から下げる、または服に付けるマイク(動くと声が遠くなるため)
  • ヨガマット(床の音と振動を減らす)
  • 画面に出すカウンターとタイマー(配信ソフトの機能で作れます)

最初の1か月は、同じ曜日の同じ時間に短く配信するのがおすすめです。目安は15分の枠を週3回です。長さより、続いていることが伝わる方が大事です。

最初の4週間の進め方

  • 1週目:朝か夜のどちらかに決めて、15分のストレッチ枠を3回。やる動きは毎回同じで大丈夫です。
  • 2週目:画面にカウンターとタイマーを出し、コメントで「やった」と書いてもらう仕組みを作ります。
  • 3週目:週末だけ、スクワット耐久などの長めの企画を1回入れます。
  • 4週目:1か月の記録(続いた日数、合計回数)を振り返る枠を作ります。ここで来てくれた人が次の1か月の常連になります。

伸びてきたら

切り抜き用に、1分前後の「今日のストレッチ」を短い動画にまとめます。動きの名前をタイトルに入れると、検索からも見つけてもらえます。資格のあるゲストとの対談は、信頼を一段上げる企画として、軌道に乗ってから入れるのがおすすめです。

気をつけること

このジャンルで一番大事なのは、言葉の選び方です。

  • 治る・やせる・効く、と言い切らない。「腰痛が治る」「1週間で5kgやせる」のような言い方は、根拠のない効果をうたう表現です。特にプロテインやサプリメントの案件では、景品表示法や健康増進法の誇大表示にあたるおそれがあります。言うなら「自分はこう感じた」「続けやすかった」まで。
  • 病気やけがの相談には乗らない。「痛いときは無理せず、医師に相談してください」と決まり文句を用意しておきます。
  • 案件は「PR」と分かるように。2023年10月から、広告であることを隠した宣伝(ステルスマーケティング)は景品表示法の規制対象です。プロテインや器具の案件では、最初に「PR」「広告」と言い、概要欄にも書きます。
  • 無理をさせない。耐久企画では「できる回数で大丈夫」のように、視聴者に真似を強いない一言を入れます。
  • 身バレに注意。床、窓、鏡の反射に部屋が写りこまないか、配信前に必ず確認します。

内容の正しさは資格のあるゲストや信頼できる本に任せて構いません。VTuberの役目は続けたくなる場所を作ることです。

出典

  1. スポーツ庁「令和6年度 スポーツの実施状況等に関する世論調査」
  2. 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活行動に関する結果 結果の概要」(表3-3)
  3. 消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」
  4. 消費者庁「健康増進法(誇大表示の禁止)」

※この記事には、YouTubeから集めた視聴数やVTuber数は載せていません。数字は上の公的な統計・調査によるものです。